• Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Instagram
  • YouTube

2020年のドラフト会議を直前に控え、今の心境やコロナ禍でのスカウト活動、その裏に込められた思いなど、ことしならではのリアルなスカウトの声を聞くことができた。
※オンライン会議ツールZoomで開催

スカウト座談会

――ドラフト会議を1週間後に控えた今の心境は?
福山「自粛期間があったり、大会が中止になったりと、高校生・大学生の皆さんはちょっと辛い思いをしたと思いますし、我々スカウトも直接プレーを見られない環境でした。その中でもホークスのスカウトチームがまず元気でコロナにかからずに今日まで来れたことがありがたいなと思っています!選手を見られない中でも担当スカウトは必死に動いてくれたので、みんなの力で作った最終リストが結晶としてできあがりました。スカウトはみんなよく頑張ったなと。」
山本「年が明けた時にはまさかこんな年になるとは誰も想像していませんでした。なんとかプロ野球のシーズンも進行しておりますし、ドラフト会議も無事迎えられそうという状況になってきて良かったと思います。ドラフト会議特有のドキドキっていうのは、選手と同じく私たちも今感じているところです。」
福元「ドラフト会議はスカウトにとって1年の集大成でもあるので、本当にワクワクドキドキしています。私にとっても担当の選手でご縁があるのか、ないのか・・。良いご縁があればなとすごく楽しみにしています。」

――コロナ禍にあっても不安というよりポジティブな期待の方が大きいということですね?
永井「コロナ禍でいつもとは違うことが多く、スカウトの活動にも制限をかけられたり、今までの業務のルーティンができなかったり、ストレスが溜まることもあったと思います。ここ最近では、ドラフト会議にスカウト全員が集まれるのかな?ということが一番心配でしたが、ホークスのスカウトチームはドラフト会議当日に全員が集まることができそう、ということでまずひとつ安心しました。また、福山スカウトからもありましたが、スカウトチームがいまコロナにかからず全員が元気でいること。これが一番です。スカウトにとって1年間の仕事の集大成がドラフト会議です。残り1週間も気を抜かず体調管理を万全にして臨みたいと思います。PCR検査も全員が受けて臨みます。」

――感染対策もばっちりということですね。感染対策といえば、今年はスカウトの皆さんにとって大切な「現場に足を運ぶ」ということが難しかったのでは?
福山「3月中旬くらいから感染が拡大してきましたので、我々としても球団と共に活動をストップしておりました。丸々2ヶ月間は、高校も大学も社会人も活動していない状況でしたのでなかなか難しかったです。アマチュア関係者とも連絡を取ってはいたんですけれども、コンディションが分からないとか、選手が帰省していたりとかで…。得られる情報が少ない中でしたが、活動を再開した6月からはほぼ休みがないぐらいスカウトマンは頑張ってくれました。しかし、密を避けるために行動制限がかかって試合を見られないこともあり、なかなか判断が難しい1年になりましたね。」

――外出ができない期間には、オンライン上でのスカウト活動も行っていたのでしょうか?
福山「オンラインで、っていうのはあまりないですね。野球の時間がより少なくなったことで関係者との連絡は密に取り合ったりできていたので、いつもよりコアな情報もたくさん取れた部分もあります。ドラフト会議ではアッと驚く為五郎みたいな選手を指名したいなと思ってます。(一同笑い)」

――例年に比べて情報の流通度合いは少ないということでしょうか?
福山「担当者が独自の情報網を持っていますし、幅広い人間関係をそれぞれが築いているので例年に比べてマイナスというのはないですね。我々のスカウトチームは幅広い世代・幅広い人脈で対応してくれているので、若いエネルギーもあれば、老練な方々のコアな情報もございましたし、みんなで情報交換しながら活動することができました。」

――移動が制限される環境の中で、北信越エリアを担当されている山本スカウトはいかがでしたか?
山本「一番は相手があってのことなので、相手ファーストで活動しました。自分たちの都合もあるんですけれど、やはり学校に行ったり企業に行ったり、また地域ごとに感染状況や温度感が違いましたので、相手のことをすごく考えて動くようにはしていました。やっぱり学校の敷地内とか企業の敷地内に入ることでご迷惑がかからないかにすごく気を遣いましたね」

――スカウト間でのコミュニケーションには不安はありませんでしたか?
福元「今年はあまり感じなかったですね。グループチャットとかも使って情報共有をしていたので。今使っているこのZoom会議はすごくいいな、と思っています!こういう状況だからこそ当たり前になったところもありますが、スカウト同士でもこのZoomを利用して何回も会議をしましたし、みんなで顔を見ながら話をすることができて良かったです。」

――永井本部長にお伺いします。春のセンバツ高校野球・夏の甲子園大会が中止となりました。スカウト活動への影響は大きかったのではないですか?
永井「スカウトの活動にももちろん大きな影響があったと思いますが、何より高校生にとって大きな目標、成長の場がなくなったことの方が大きいと思っています。大会を通じて伸びてくる選手っていうのは必ずいるので、そこは率直に残念であったかなと。一方でマスコミに取り上げられる場面もほぼなかったですし、他球団の評価もわかりにくいので、各球団のスカウトによって選手の評価にばらつきが出るのではないかなと予想しています。」

――プロ志望高校生合同練習会の開催についてはいかがでしたか?
山本「大義としては「今年の高校生の救済」というところで、高野連とNPBが協力して開催された初めての試みでしたが、これまでのプロアマの関係性を考えるとすごく前向きな取り組みでしたし、野球界全体としては非常に開催の価値があった企画だったのかなと感じています。」

――得られる情報が限られていた中で、今年の指名に向けた判断材料はどんなところでしょうか?
永井「今年はスカウティングできる期間が短かったので、各担当スカウトがしっかり見て推薦できる選手をしっかり調査していこうという大きな方針を立てて進めていました。幅広く浅く調査をする中で、「この選手は!」と思う選手を短い期間の中でもしっかりと見て調査をしようと。獲得する可能性がある選手に関しては、しっかりと調査を終えたうえで指名するというのは決めてやってきました。」

――全体方針の中でも、個人的にはどんなことを意識して活動しましたか?
福元「少ない視察の中でしたが、ホークスにとってこの選手が必要か否か、自分の中で考えていつも以上に“勇気”をもって福山チーフに進言をしました。答えは誰にも分らないので、普段より一歩踏み込んでみましたし、自分の中で後悔はしないようにそこは意識して活動できたかなと思います。」
山本「私もスカウト7年目になりますけれど、これまでの経験も生かして自分の中でしっかり答えを出すと言いますか、まさに同じですけれども決断する“勇気”かなと。自粛期間中に情報を整理して、6月に入って動き出した時にはすでにどう動くかっていう行動戦略みたいなものはしっかり立てていました。6月からが勝負だと思っていましたので、しっかりと準備して動き出してからの数か月間は計画通りに動けたと思います。」

――選手自身も思うように練習ができない状況で、外出自粛明けの選手たちの動きはどのように目に映りましたか?
山本「そうですね、ピッチャーなんかは1年間投げ続けていないので、逆に秋に体が元気だったりして、特にこの9月・10月に入って大学生・社会人の状態が良かったりしますので、最後まで追いかけるということも気を付けていました。高校生はなかなか急ぎ足だったので夏にベストパフォーマンスにはならなかったかもしれませんが、選手それぞれの評価を早まらず、成長のタイミングを見極めながら、最後まで追いかけることが大事と思っていましたね。」

――福山スカウトは今年の活動を振り返っていかがですか?
福山「毎年、今年1年の獲得方法とかテーマを少しずつ変えて行なっている中で、私も含めみんなが成長していかないといけない。そういう中でこのコロナ禍になり、私自身も非常に決断が難しいドラフトになりました。なかなか評価を確定するのが難しかったんですけど、そこはもう私のインスピレーションで会う選手会わない選手を決めて判断材料に入れさせてもらいました。私が分からない所に関しては担当スカウトの判断を信頼して、その言葉を信じて、チームワークを大事にしていく、というとても貴重な1年になりましたね。」

――ここからは少しホークスの1軍選手の話を聞かせてください。首位を走るホークスですが(10月19日現在)、例年以上に若手選手の活躍が目立つように感じます。今のチーム状況についてどのように感じていますか?
永井「非常に選手全員が頑張ってくれていると思います。まずシーズン開始の時点でキューバ組が来れずに特に野手が少し厳しい中で始まりましたが、栗原選手だったり周東選手だったりが頑張ってくれて今の位置にいると思います。全体的には成績を見ても投手陣が頑張っているシーズンなのかなとも感じています。投手陣が頑張ってチームが勝つ、その中で若手の野手が成長してきているのかなと。ただ、今年に関しては内川選手が2軍で調整していたり、松田選手も本来の成績からは数字的に落ちてきているという状況ですので、来年再来年に向けても若手の野手がどんどん成長してくれることを期待しています。」

――栗原選手の担当だった山本スカウトは、当時を振り返ってみて今の活躍をどのようにご覧になっていますか?
山本「私がスカウト1年目の時に、現コーチの村松さんから「くりを頼むで!」と引き継いだ選手なんですけども、始めはプロの練習量についていけなかったり、故障もあったりしてこの6年間すごく苦労もした選手だと思います。今年は顔つきを見ていてもすごくたくましくなりましたし、春のキャンプのフリーバッティングを見ていて彼の打球音とか飛距離にすごく驚きました。こんなバッティングができるようになったんだなと。今でも高校時代の監督とも連絡を取り続けて追ってきた選手なので、今シーズン初めてずっと1軍にいて結構しんどいと思いますけど、活躍ぶりはホークスにとって非常に心強いです。性格も明るい子なのでチームのムードメーカーになっている姿を見るとすごく嬉しいです。」

――プロ入り前の栗原選手から、今の活躍は想像できていましたか?
山本「センスがある選手でしたけれど、こんなにホームランも打って、というスケールの大きなバッティングになるっていうのは、正直想像を超えているところがあります!」

――福元スカウトは今のチームで注目している選手はいますか?
福元「やっぱり周東選手ですかね。ミスもありますけれども、その中でもすごく成長してきているな、というのが目に見えてわかります。あの脚でチームを勢いづかせて、という姿は非常にたくましく、心強いなと思って見ています。若手が出てくるっていうのは見ていていいですね!若い選手を獲得して、順調に育って、将来的にはホークスを引っ張っていく選手の担当ができたらスカウトとしてこれ以上嬉しいことはないですね。」

――九州を担当されている福山スカウトはいかがですか?
福山「今年は川瀬選手が頑張ってくれていますし、私が獲得に携わった時から順調に来ているんじゃないかなと思います。春先は少し色々とあってちょっと喝を入れたじゃないですけど、やっぱり食が少し細い選手なので、一番大事な体を大きくするという点で遅れを取っていると感じてました。コロナ禍で毎日のように彼とは連絡を取りながら1日3食の食事を必ず連絡をするようにして、それを全部チェックして、時には叱咤激励して、怒りすぎてもアレなんで(笑)頑張れ頑張れと言いながら応援していました。1軍でチャンスを掴んで初ヒットを打ってからはその連絡は終了したんですけど、とってもよく頑張ってくれています。そういう我々の熱い思いが彼らの活躍につながってると思うんで、我々スカウトはやっぱり選手が一人前になるまでは手取り足取り、時には色々注意したり、時には悩みを聞いてあげたりとかをしています。そういう中で今年川瀬選手はいい動きをしているんじゃないかなと思います。」

――ドラフトで獲得して終わりではなく継続して担当スカウトさんが見てくださるのは入団する選手にとっても安心するでしょうね。
福山「そうですね。彼らの成長した先のプレーヤー像を我々スカウトはいつも描いていますが、その通り順調に成長する選手もいれば、なかなかうまくいかない選手もいる。川瀬選手は今年チャンスが来る1年になるだろうなと予想していたので、叱咤の方が多かったかもしれないですが、ことしはしぶといバッティングをしたり順調に結果を出して頑張ってくれているなと思います。」

――川瀬選手のドラフト指名時の注目ポイントはどんなところでしたか?
福山「高校時代は森下投手(現広島)の後ろでショートを守っていましたが、2番手のピッチャーもしていて、145km/hくらいのストレートをコントロールできて、縦カーブもキレがあってすごくバランスの良い選手、という評価でした。バットコントロールもすごく上手くて、高校時代の打率も6割を超えたくらいの選手でしたが、まだ体は出来ていなかった。ホークスのチーム環境や育成システムには適応できるんじゃないかと思いました。私が川瀬選手を一番気に入ったのは、“心のエンジン”の大きさですね。あんな小さい体なのにものすごく大声張り上げて、大分商業高校の他の部員を叱咤激励する素晴らしいキャプテンでした。そういった人間性と体は小さいけど大きな“心のエンジン”があるっていうのは必ず成長するポイントになると思いますので、ホークスは早くから見ていましたし、永井本部長はじめ他のスカウトにもチェックをしてもらった選手ですね。あとは唐揚げでもなんでも脂っこいものでも食べて、ガシガシ大きくなって欲しいです!(笑)」

続きはモバイル公式サイト会員限定です

ログイン・会員登録はこちら

――最後にドラフト会議への思いを一言ずつお願いします!
福元「今から何をするっていうことはもうあまりないですが、当日まで引き続き調査はします。でも、どれだけシミュレーションをしても毎年本番はそのようにはいかない。悔いがないように本当に良い選手とのご縁があるのを願って、ドラフト会議を迎えたいと思います。」
山本「ホークスファンだけでなく野球ファンの方々が、優勝争い・ペナントレースの行方とともにドラフト会議に注目していると思います。どんな選手が指名されるんだろう、どんな選手がホークスに入団してくるんだろうと楽しみにしてくださっているファンの方も大勢いると思いますので、将来楽しみを持ってもらえるような選手を獲得できるように頑張りたいと思います!」
福山「今年のドラフトがうまくいったかどうかがわかるのは何年後かになると思いますけど、今年が一番特別な思いになるのかなと思いますね。我々はそのドラフトの縁だけじゃなく、ドラフト会議が終わってからがスタートだと思っています!縁があった大事な選手全員を最後までしっかりサポートして、一番いいドラフトはホークスだったと言われるように頑張っていきたいですね」
永井「ドラフトは”縁”があってのもの。この座談会の時点でもうすでに各スカウトの準備や頑張りのおかげで仕事としてはほとんど終わっている状態です。あとは他球団との兼ね合いもあるので、ホークスが絵に描いた通りに獲得ができるのかどうかっていうのは終わってみないとわからない。ただ言えるのは、どの選手も縁があって最終的に指名するので、ドラフト会議が終わった時点では全部成功だと思っています。結果は何年後かに出るわけですけど、そこで結果を出せるようにも獲得してからもスカウトは努力をし続けます。スカウトとしても今年1年は新たな発見や経験ができた1年でした。今日の座談会の中でも福元スカウトが成長したな、と感心しました!勇気を持って決断したり、慣れないことに挑戦する姿勢だったり、前向きな発言だったりがすごく見られて、ホークスのスカウトチームとしても色々な経験を経て成長を感じられました。来年にもつながる1年になりましたし、まずは今年のドラフトにスカウト一丸となって臨みたいと思います!」

インタビュアー

球団広報