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2018年のドラフト会議に向け、スカウトの仕事について、これまでのドラフトの思い出、今年に向けての思いなどを、スカウトの方に集まっていただき、皆さんに語っていただきました。

スカウト座談会(後編)

――足を使いスカウト会議も重ねていよいよ本番目前ですが、王会長や工藤監督らの意見などはどの段階でお聞きになるのでしょうか?
永井「僕らが知らない選手を挙げてくることはないですね。スカウト全員で見尽くしているのもありますし。現場の監督が、たとえばこのような投手が欲しいといった編成上の考えなどを交換する場は設けますが、具体的な選手名が出てくることはほとんどありませんね」

――柳田悠岐選手の指名の際は、王会長のひと声があったという話は有名ですが。
福山「あの時は2位の段階で柳田選手、現在西武の秋山選手が残っているだろうという想定でした。どちらも高い評価をしていましたが、比較をした時に秋山選手の方が確率の高い打撃をする選手ではないかという評価でした。ただ王会長が『柳田って体は大きいけど、どっちが飛ばすんだ?』と問いかけてこられたので、それならば柳田です、と。『ならば夢のある選手の方が良いじゃないか』となったのです。あれはドラフト会議前日の会議でのことでした」
永井「どちらも大成功した選手ですが、面白い選手という意味では柳田選手の方ですよね」
福山「両方の選手を評価していて、2人とも活躍してくれたのはある意味嬉しいですね」

――ホークスは九州の球団ですが、地元九州というのは意識されますか?
永井「それはある程度ありますけど、そこは福山スカウトの腕じゃないですか!(福山スカウト・笑) 見てくださいよ、今のウチの選手。今宮がいて甲斐がいて。もちろん各地域に担当スカウトがいますから、全国どこでもちゃんと選手を見ることは変わりませんが、九州の選手はよりしっかりチェックしないとという気持ちはあります」

――スカウトがおすすめする、ホークスの楽しみ方
福山「我々としたら、新人選手の初出場や初登板は興味を持って見ています。今年ならば高橋礼投手の初先発だったり。川瀬選手のセンター前ヒットでヤフオクドームが盛り上がったあの瞬間や大竹投手の好投とか、ファンの方が暖かく見守ってくださっているのは我々スカウトも嬉しいです」

――担当した選手はいつまでも気になる?
福山「当然気になります。汗水たらして獲得した選手が活躍するのを見ると、私も美味しいお酒が飲めます(笑)。でも、あまり私情を挟むとバランスが取れなくなるので」

――担当選手がプロ入りした後、スカウトはどのような接し方を?
宮田「勝った、負けた、一軍に上がった、二軍に落ちたとか折を見て連絡は入れます。励ますことしかできないですけどね。あとはテレビなどで次頑張れよと応援するだけです」

――昨年のドラフト1位で入団した吉住投手を担当された作山スカウト。彼の1年目、そして未来をどのように見られていますか?
作山「彼の場合は体のスタイル、身体能力がすぐれた選手です。ただ、まだ高校生の中でも決して技術が高い方ではなかった。まずは三軍などファームで経験を積むことが必要かなと思っていました。体の出力の大きさは十分。あとは経験です。3年後あたりに頭角を現してくれればと思っていました。今年1年は3軍でしっかりと最初から思っていました。1年目はこれで良かったと思います。ドラフト1位というのは重荷になったところもあったかもしれませんが、その期待に応えられる能力は十分に兼ね備えた選手だと思います」

――セーブ王を獲得した森投手とか?
山崎「見越していましたよ!いや、ウソです(笑)。やっぱり親に貰った丈夫な体に一番感謝ですよ。ほかにあんな選手居ないですよ。投げている球や技術はプロに入ってから身についたものだと思いますが、強靭な体という土台は最初から兼ね備えていました。当時もいつも元気に投げていました。そのチームの試合を観に行けば『また森が投げている』という印象でした」
永井「ちなみに帽子の被り方は昔からあの感じだったんですか?」
山崎「そんな感じですね(笑)」
宮田「大会で4連投とか平気でしていましたよね」
山崎「最初先発して2回戦でリリーフして、準決勝と決勝でまた投げるという強靭なところは見せてくれていました」

――今年で引退した本多選手は?
宮田「本多選手は次の年まで待っていたら人気になって、上位で他球団も狙ってくるだろうという評価でした。いち早くホークスが獲得したので大学・社会人ドラフト5位で獲得できたんです」
永井「攝津投手や長谷川勇選手も下位指名での入団です。1位や2位でなくてもぜひファンの皆さんには注目して頂きたいし、もちろん期待して応援をして頂きたいです」

――スカウトとしての自分の目に、自信をつけさせてくれた選手との出会いは?
宮田「アキラ(中村晃)ですね。僕と笹川(現三軍コーチ)が2人で担当したんですけど、体が大きいわけでもないし、足が特別速いわけでもない。そして守備も主にファースト。確かに本塁打通算60発の選手でしたけど、プロに入って外野手として大丈夫なのかなと正直疑問でした。じつはドラフト前に外野でノックを受けている姿は一度しか見たことなかった。一塁でのミットさばきなどは上手でしたが、肩はどうだろうとか悩んでいたんです。
その時、現在プロスカウトをされている小川史さんが『出来るぞ』と背中を押してくれたんです。確かに打つ技術は相当なものでした。ただ、ここまで出来るんだなといま改めて感じます」

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――最後に今年のドラフトに向けて
福山「ドラフトで戦力を供給出来るか出来ないかで、チームの勝ち負けに大きく関わります。現場で優勝争いをするのもプロ野球ですが、我々スカウトの分野でも12球団でも戦っています。各順位で、適材適所を見極めて良い選手を獲得して行きたいと思っていますので、こうご期待ください」

有料会員限定部分のトピックス

  • 地元九州ということは意識する
  • スカウト目線のホークスの楽しみ方
  • プロ入り後の選手との関わり方
  • 吉住投手、森投手、本多選手その他ドラフトの思い出
  • スカウトとして自信をつけさせてくれた選手

福岡ソフトバンクホークス スカウト

永井智浩

編成・育成部部長兼スカウト室室長

福山龍太郎

チーフ
出身:福岡県
主な過去の担当選手:今宮健太
経歴:東筑高~法政大~ダイエー(1998年ドラフト4位)

作山和英

チーフ補佐
出身:福島県 担当地区:東北・北海道地区
主な過去の担当選手:上林誠知
経歴:学法石川高~東北福祉大~ダイエー(1991年ドラフト2位)

岩井隆之

出身:大分県 担当地区:九州地区
2018年からソフトバンクのスカウトに就任
経歴:津久見高~法政大~大洋(1975年ドラフト2位)~横浜大洋~日本ハム

山崎賢一

出身:埼玉県 担当地区:中国・四国地区
主な過去の担当選手:松田宣浩
経歴:所沢商業高~大洋(1980年ドラフト外)~ダイエー

宮田善久

出身:栃木県 担当地区:関東地区
主な過去の担当選手:東浜巨
経歴:国学院栃木高~法政大~熊谷組~立命館大コーチ~立命館宇治高監督~ダイエースカウト

荒金久雄

出身:大分県 担当地区:関東・関西地区
主な過去の担当選手:高橋礼
経歴:PL学院高~青山学院大~ダイエー(2000年ドラフト5位)~ソフトバンク~オリックス

山本省吾

出身:石川県 担当地区:東北・北信越地区
主な過去の担当選手:大竹耕太郎
星稜高~慶応大~大阪近鉄(2000年ドラフト1位)~オリックス~横浜~ソフトバンク

稲嶺誉

出身:沖縄県 担当地区:関西地区
主な過去の担当選手:清水陸哉
経歴:沖縄水産高~東農大生産学部~ダイエー(2002年ドラフト8巡目)~ソフトバンク~福岡レッドワーブラーズ

福元淳史

出身:千葉県 担当地区:関東地区
主な過去の担当選手:島袋洋奨
経歴:市立船橋高~中央大学~NOMOベースボールクラブ~巨人(2008年育成ドラフト4位)~ソフトバンク

インタビュアー

田尻 耕太郎(スポーツライター)