千賀滉大投手が9月6日(金)のマリーンズ22回戦(ヤフオクドーム)で無安打無得点(ノーヒットノーラン)を達成しました。
プロ野球で今季初、史上80人目(91度目)。球団としては通算310勝を挙げた伝説の大投手の別所昭投手が1943年5月26日の大和戦(神戸)で達成して以来76年103日ぶりで、球団史上2人目、育成出身選手では史上初のノーヒッターとなりました。
試合後、千賀投手がヤフオクドーム内のプレスカンファレンスルームで記者会見を行いました。
――おめでとうございます。今の心境は?
「ありがとうございます。ホッとしています」
――試合直後、甲斐選手と最初にかわした言葉は?
「おめでとう…、いや、『よく頑張った』ですね」
――最後の打者を迎えた場面、どんなことを考えていましたか?
「自分の(記録の)ことは(頭の中から)飛んでいましたし、ここで一発打たれて自分が負けて、チームも負けてはいけないと思ってマウンドに上がっていました。それがこの結果を生んだと思います」
――何かつぶやいていたように見えました。
「あまり覚えていないけど、一発はダメと言い聞かせていたと思います」
――最後は三振でした。
「もちろん、最後は全部三振という気持ちでマウンドに上がっていました。ホッとしました」
――令和初の快挙です。今後、消えない称号を手にしました。
「ありがとうございます。そこは実感ないですね(笑)。けど嬉しいです」
――また、育成ドラフト出身として初の快挙です。
「それも言うことはそんなにない。でも拓也と出来て良かったです」
――そしてホークスの歴史の中では、福岡に移転して初めてのノーヒットノーランでした。福岡のファンの皆さんは喜んだと思います。
「本当に出来てよかったです」
――今日の投球内容については?
「ランナーを出した回数が何度かあったので、スゴイことをしている実感がなかった。でも、スコアボード見たらゼロだったという感じです。ランナーを出したという点を(次回以降は)減らしていけるようにしたい」
――倉野コーチは試合中のコメントで「力みがない」と言っていました。
「力まずに投げるのは西武戦からテーマでしたし、3つ負けて(3連敗)のマウンドだった。今日は自分が勝つと思って投げていた」
――ノーヒットを意識したのは?
「5回終わって、スコアボードを見て。でもフォアボール出しているから、そんなに意識はなかったです」
――先制点は甲斐選手のタイムリーでした。
「今日はベンチで横にいた。ぼそぼそっと『打ってくるわ』と言っていたのが印象的です」
――朝からLINEのやりとりもあったとか?
「なんだったっけ?(笑) 今日はオマエの為に頑張るから、と」
――このバッテリーで達成できたことについては?
「やっぱりずっと一緒にやって来た。良かったです、ほんと」
――人生でノーヒットノーランの経験は?
「ないですね。初めてです」
――ウィニングボールはどうしますか?
「何も考えてはないですけど、今はグローブの中にある。もうちょっとしたら考えます」
――8回の攻撃。ベンチでは誰も近寄って来ない様子がモニターに映っていました。
「あの光景は僕も笑えてしまって。さっきまで喋ってくれたのに、誰も来なくなった。でも拓也は横に来てくれたので、自分から話し掛けました。2点差だし点を取られないように、と」
――今、実感は沸いてきましたか?
「マウンドでもなかったように、今もそんなに実感はないです。でも、試合が終わってからチームメイトや裏方さんが温かく迎えてくれて、それが嬉しかったです」
――リリーフを休ませることも出来ましたね。
「今日は9回まで放ると思っていました。それがよかったと思います」
――パ・リーグは接戦が続きます。
「負けられない試合が続く。まだ僕らがBクラスになる可能性だってある。負けられないです。僕ら先発陣が試合を作っていくのが一番だと思います」
――これからへ。
「チームが苦しい時に勝てるよう、自分が投げる時は勝てるようにと思っています」
2019年9月7日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)