2016/10/14 (金)
選手

9回激熱逆転! 重盗決めて、柳田選手V打

選手画像

選手画像

選手画像

【10月13日(木)ホークス6-4ファイターズ 札幌ドーム】

<今日の熱男=柳田悠岐選手 9回勝ち越し打! 劇的逆転勝利>

逆襲の鷹が、ついに大きく翼を広げた。絶体絶命の1点ビハインドの9回表に打線のつながりと好走塁で大逆転。貴重な、本当に貴重な1勝を挙げました。

試合はホークスが先制。2回、今宮健太選手と細川亨選手の連続タイムリーで2点を挙げました。しかし、その後先発の中田賢一投手がつかまって計4失点。試合は終盤へと突入していきました。

しかし、ホークスナインは最後まであきらめません。重苦しいムードなどまるでなし。声を張り上げ、前を向き、ファイティングポーズをずっと崩しませんでした。8回表、松田宣浩選手のソロ本塁打で1点差。そして9回表にドラマが起きました。

1アウト走者なしから代打で出場した福田秀平選手が死球で出塁。左足の痛みをこらえ、この後ビッグプレーを連発しました。「ノーサインです。行けたら行けと常に言われている。走るな、のサインは出ていなかった。(相手マウンドの)マーティンさんは1球目クイックをしたけど、2球目は少し足を上げた。これならば勝負できると思った」。二塁盗塁を決めて相手の動揺を誘うと、中村晃選手が四球出塁後の1アウト一、二塁ではダブルスチールを敢行して見事に成功させました。

1アウト二、三塁。ここで本多雄一選手が粘っての9球目をレフト前へ運び同点。さらに1アウト二、三塁(本多選手が次打者初球に二盗成功)で“真打ち”柳田悠岐選手が打席に入りました。この日の5回表に「2016 日本通運 クライマックスシリーズ パ」の15打席目で初安打を記録しており、流れを引き寄せていました。

「試合に出たくないと思った時もありました。つらかったけど、先輩方からすごい声をかけてもらって、前を向いてやろうと思いました」

2ボールからの3球目、直球をとらえた打球は強いゴロとなってセンターへ抜けていきました。「ポンさん(本多選手)で追いついてくれたから楽な気持ちで打てた」。さらに次打者の内川聖一選手は内野ゴロでしたが、一塁へ気迫のヘッドスライディングをしてゲッツーを阻止。「いつ以来か、覚えてない」。貴重な追加点で2点差として、その裏の守護神サファテ投手の好投を力強く援護しました。また、7回の2死満塁から1回3分の1を好リリーフした岩嵜翔投手のピッチングも、この劇的勝利を引き寄せる重要な役割となりました。

これで1勝2敗(アドバンテージ含む)。ホークスとしては札幌ドームでのCSは初勝利です。観戦した王貞治球団会長も「福田がうまいこと二盗、三盗を決めたのが大きかった。柳田にもヒットが出たし精神的に楽になる」といつも以上に興奮気味。この札幌の熱い夜が今後の戦いへの大きな分岐点となることでしょう。

工藤監督の熱男トーク
――逆転勝利。
「すごい試合でした。盗塁はノーサイン。相手はクイックもやっていたが、モーションは大きかったので『走る』ことは言ってあった。勇気はいるけど、福田くんの走力、そして普段からの観察力があってあの結果につながったと思う」

――柳田選手にもヒット。
「松田選手とクリーンナップが打つと得点は4点、5点と入る。松田くんが8回に一発を打ったのも大きい。内川くんの気迫のこもったヘッドスライディングで奪った(9回表の)3点目も大きかった」

2016年10月14日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)

選手一覧へ戻る
  1. トップ
  2. ニュース一覧
  3. 9回激熱逆転! 重盗決めて、柳田選手V打