まだオープン戦にもかかわらず、3万4千人を超えるファンで埋まったスタンドが興奮に包まれた。ホークス打線が試合終盤に驚異の本塁打攻勢。序盤に5点差をつけられる劣勢の中、まずは6回に川島慶三選手と柳田悠岐選手のタイムリーで反撃を開始すると、8回、内川聖一選手が左翼スタンドへ2ラン本塁打を放ち1点差とした。
内川選手はこれがオープン戦14打席目で待望の初安打。「打ってホッとした気持ちも当然ある」と振り返った主砲は、「勝っても負けても気持ちだけはいつも変わらずにプレーしているつもり。それにオープン戦だからという気持ちは、選手たちにもない。シーズンと変わらずにやっているつもりです。その積み重ねがシーズンで生きてくるから」と話す。
だからこそ、8も続いてしまった連敗を止めなくては…とチームが結束した。
1点を追う9回、先頭の中村晃選手が初球を本塁打にして同点。さらにチャンスを広げ、2アウト二、三塁から川島選手がレフトへサヨナラ本塁打を放った。大歓声が轟くスタンド。川島選手も会心の笑顔を見せてベースを1周した。
また、勝ち投手は9回をきっちり打者3人で抑えたサファテ投手。8回を投げた森唯斗投手も好投して流れを呼び込んだ。今年もホークス勝利の方程式は健在だ。
2018年3月21日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)